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私たちは平等だ! 自由だ!! アルテ・エ・サルーテプロジェクト浜松の挑戦!!

更新日:2021年9月27日



今年の秋に日本各地で上映(※1)される演劇『マラー/サド(※2)』。

10月11日(月)にはクリエート浜松で上映されますが、そのプロジェクトに関わり一緒に演劇という表現を作ってきたアルテ・エ・サルーテプロジェクト浜松の挑戦について紹介します。


(※1) 今回は生で役者が演じる演劇ではなく、事前に演劇を映像で撮影したものの上映となります。

(※2) マラー/サドは略称です。"マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺"が本題です。



時は2018年10月まで遡ります。

イタリアはエミリア・ロマーニャ州立ボローニャ地域保健連合機構精神保健局の患者達によるプロフェッショナルな劇団『アルテ・エ・サルーテ劇団』がボローニャ市立劇場と協同で制作した舞台作品が日本各地で上演され、浜松でもクリエート浜松で上演されました。


『マラー/サド』とは、フランス革命期の過激な共和主義者ジャン=ポール・マラーが浴槽でシャルロット・コルデーに刺殺された出来事を、精神病院の入院患者であったマルキ・ド・サド侯爵が患者たちを使って上演するといった劇中劇のお芝居。

精神病院に隔離され迫害されてきた精神病患者が、自由と平等をもとめ革命を起こす姿はユーモラスであり怒りや悲しみもあり観るものを惹きつけます。



このお芝居を演じるのはイタリアで、精神障害を抱えながらプロの役者として生活される方。

実は、日本では考えづらいことではありますが、イタリアでは今から約40年前人権の観点から精神科病院を全廃し(参考:wikipedia バザリア法)、精神障害のある方は地域で支え合うことで社会と向き合って生きています。


つまり、この演劇で放たれるメッセージ。

「障害はあるけど奴隷じゃない。私たちは平等だ! 自由だ!!」という言葉は、まさに演者自身の言葉であり、私たちと一緒の社会で生活する精神障害を抱えている誰かの切実な叫びでもあるのです。


 

2018年の公演の後、2020年10月に再招聘・再公演が決定し、アルテ・エ・サルーテ劇団とともに一緒に舞台に出演する参加者を精神科病院の受療経験がある当事者、精神科医療従事者からオーディションという形で募集することになり、浜松をはじめ全国から出演者が決定しました。

しかし、公演のために練習を重ねていたのですが、新型コロナウイルスの世界的な流行によりその年の公演は無くなってしまいました。


「せっかく練習を続けていたり、そこで築いた人間関係が無くなってしまうのはもったいない。何とかこれを形にできないか。」という思いからリモートでの自主公演、地元浜松のマイムアーティスト里見のぞみさんや、SPAC(公益財団法人静岡県舞台芸術センター)をゲストに招いたワークショップなどを続け、それと同時に劇団を再招聘できないものの演劇の上映会という形で公演できる事が決定しました。

10月11日(月)に行われるクリエート浜松の上映会では、上映に合わせて浜松のオーディション参加メンバーが舞台に登場したり、ちょっとしたパフォーマンスをみせてくれるかもしれません。



今回の上映会について、アルテ・エ・サルーテプロジェクト浜松代表の望永さんにお話を伺いました。


浜松のでの開催は2021年春の段階ではまだ決まっていませんでした。

コロナ禍であること、会場が工事中となったことなどから、浜松で行わなくても…という意見もありました。

「それでもやっぱり浜松で上映したい!精神障がいを経験した彼らが町で暮らしていること、表現の活動をしていることを伝えたい。遠くの誰かがやったことではなく、私たちの身近な彼らの活動を、私たちの身近に住んでいる人たちに伝えたい。」と思い、アルテエサルーテ浜松プロジェクト(浜松サルーテの会(※3)の一部のメンバーが集ったプロジェクト)が始まり、応援をしてきました。

浜松地区の出演者は、「障害を持っていても、いなくても、夢は実現できるのだ‼って言うことを知ってほしい。」と語ります。

Mara/Sadeの浜松上映会。

精神障がいのある当事者、家族、支援者、そして町の人達、すべての人の希望に繋がったらいいな。

そんな思いが込めてお届けします。


(※3) 静岡県浜松市で地域のそして日本の精神医療(メンタルヘルス)の現状やあるべき姿について考えたり活動したりするグループです。’18年イタリアのアルテ・エ・サルーテ劇団浜松招聘・公演をサポートすることをきっかけに始まりました。


 


日時/2021年10月11日(月)

時間/17:00開場 17:45開演 20:00終演

会場/クリエート浜松(浜松市中区早馬町2番地の1)


無料・全席自由・要申し込み

(当日の上映はバリアフリー字幕で行います。)



 

なお、この上映会は日本各地で行われます。

このようなご時世、「遠方の上映会に足を運んで観に行ってほしい」とは言えませんが、お近くの方がいらっしゃいましたら、ぜひ宣伝をしていただけるとうれしいです。

  • 10月10日(日) 東京公演  会場:イタリア文化会館

  • 10月13日(水) 名古屋公演 会場:名古屋市公会堂

  • 10月17日(日) 大阪公演  会場:ビッグアイ(国際障害者交流センター)

  • 10月30日(土) 仙台公演  (調整中)



演劇の楽しみ方はいろいろです。

純粋に演劇として楽しむこともアリ。その文化や背景を学ぶこともできます。

まずはこの上映会にお越しいただき、皆さん自身の目で見ていただき何かを持ち帰っていただければうれしいです。


 

〈お問い合わせ先〉


・NPO法人 東京ソテリア事務局

 Marat/Sade マラー/サド上映会 公式サイト https://marat-sade.com/


・アルテ・エ・サルーテプロジェクト浜松

 E-mail arteesalute.hamamatsuproject@gmail.com (担当:望永)


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