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秘密基地のようなワクワクが詰まっている、万年橋パークビルを探検しました。


浜松の市街地、田町のゆりの木通り沿いにある万年橋パークビル。

元々は市営の駐車場でしたが、2011年に民営の駐車場となりました。


さて、こちらのビル。

一見すると大型の立体駐車場ですが、ビル内でセミナーやワークショップ、展示イベント、演劇・ライブなど、様々なイベントが行われているってご存知でしょうか。

そんな不思議な駐車場、万年橋パークビルさんにお願いし、ビル内を探検させていただきました。それではレッツゴー!



まずは1階にある黒板とキッチンへ。

中に入ると施設名そのままに『黒板』と『キッチン』がある不思議な空間です。

店舗のようで店舗じゃなく、料理屋さんのようで料理屋さんでもなく、地域の寄合所のような誰しもがフラっと来て休憩したり、黒板を使って会議をしたり、料理を作って食べたり、落書きしたり、何もせずにボーっとできる自由にしていい空間。


セミナーなど、ある程度のスペースや利用時間が必要になる場合には施設利用料がかかりますが、基本的に少人数で使用するぶんには無料です。



とはいえ、自由といってもキッカケが無いとなかなか入れないもの。

最近ではコロナ禍でなかなか開催できていませんが、セミナーやワークショップなどのイベントに参加してみたり、お隣の蕎麦屋さんで注文した料理を黒板とキッチンで食べてみたりするところからスタートしてみてもいいかもしれません。

黒板とキッチンのブログにイベント情報が掲載される時がありますので、よかったらチェックしてみてください。

(最近の投稿は、黒板とキッチン付近を行き交う人たちのイラストとミニインタビューが主に掲載されています。こんな方が地元にいらっしゃるんだー♪と発見のあるインタビューなので、それもお楽しみに。)


大きなガラス張りの入り口からは、ゆりの木通りを歩く人の足音が聞こえたり、フラっと「こんにちは〜」とお客さんが来て一緒に世間話をしたり。

人と人が気楽に交流できる、そんな素敵な場所でした。

街でお出かけのついでに、フラっと寄ってみてくださいね〜。


 


次に4階にある能の稽古場ゆりの木舞台へ。

「能って能面とかの能?」

そうです。日本の古典芸能の能です。

稽古用ですがその舞台があるんですっ!! ビックリっ!!


こちらの舞台を管理されているのは、万年橋パークビルの1階にあるリボンやボタン、布生地を取り扱っている株式会社とりいの取締役会長の鈴木安彦さん。

浜松には能の団体が10ほどあるそうで、そのうち5団体が定期的にこちらで稽古をされているそうです。

他にも能の人間国宝の方も稽古でいらっしゃったり、2014年の静岡県オペラ国際コンクールの際には海外の審査員の方が見学にいらした事もあるそうです。


あまり一般に馴染みのない能の世界。

鈴木安彦さんに「なぜ能に興味をもったんですか?」と聞いてみました。

キッカケは学生の頃の国語の授業。

今から700年ほど昔に書かれた能の演目「松風」という詩を読んだとき、その言葉選びの楽しさや美しさに驚いたそうです。



松風の一文を紹介していただきました。

『月は一つ。影は二つ満つ汐の夜の車に月のせて。』

桶に水を汲みながらその水に月が映るのに気付くのだが、桶が二つあるので映る月の影は二つになる…という詩。

美しい情景と、一つ・二つ・満つ(三つ)といった言葉遊びが隠されている事に気がつき、ずっと昔から粋な言葉があったんだなぁという発見から能の世界に入っていかれたそうです。

確かにそういう視点でお話を聞くと、日本語の奥深さ・能の魅力を感じますね。


 


駐車場に車で入っていくと、目に入るのは個性的でユルくて可愛らしいイラストたち。

こちらのイラストを描かれたのは地元のイラストレーター友野可奈子さんです。

ゆりの木通りで行われるゆりの木通り手作り品バザールのチラシなどでも目にした人もいるのでは?

駐車場に入るだけで楽しくなっちゃうだなんて、お得感がありますね。

他にもかわいいイラストがあるので、こちらに駐車する際に探してみましょう〜。


 


7階は駐車スペースと、CUBESCAPEと呼ばれるキューブユニットを組み合わせたお店やアトリエが集まる実験的スペースです。

今は建築デザイン事務所の+tic(プラスチック)さんが工房として使用されています。

空いている部屋(キューブ)もあるのでもし興味のある方がいらっしゃいましたら万年橋パーキングまで声をおかけください。


駐車場に突如現れるキューブ空間はちょっとSFチック。

クリエイティブな人が集まってお互いに化学反応しながら、浜松の文化を向上させる場所になったら面白いですね。



また、今はコロナ禍で自粛していますが、7階で定期的に開催しているバーベキューもオススメです。

駐車場でバーベキューと言うのも驚きですが、老若男女たくさんの人がたくさん集まってワキアイアイと交流します。

実はjimottomall編集部タテイシ家も幼稚園児の娘と一緒に参加した事がありますが、小さな子供でも一緒に楽しめる雰囲気なので、子育て世代の方も一緒にご参加いかがでしょうか。


 


最後に8階はその名の通りhachikaiという名のフリースペースがあります。

こちらではライブや演劇、食のイベント、アート作品の展示やワークショップなど様々な企画が行われます。

駐車場の1フロアという広いスペースがあるので大型のイベントも企画できますし、小規模で営利を目的としなければ無料で借りる事もできるそうなので、「自分でもちょっと何かやってみたい」「発表の場を持ちたい」って考えている人は相談してみてもいいのではないでしょうか。



囲炉裏のある和室もあり、こちらで会合をしたり鍋パーティーなどをやる事も可能だそうです。

hachikaiの一番奥には、「デデン!!」と巨大な親指!!

この場所を拠点に活動している劇団絡繰機械'sが以前に使用した舞台美術です。

初めて見ると「なんじゃこりゃ〜」となりますね。見慣れてしまうと駐車場の壁に同化して気にならなくなるのが摩訶不思議です。



駐車場のワンフロアというちょっとした異空間で、時間で変わる陽の光を感じながらイベントを楽しむというのもここならではの自然の演出。

駐車場ならでは雰囲気を感じながら、ライブやイベントを楽しんでみてはいかがでしょう。


 

一見すると立体駐車場。

でも中に入ると不思議な場所がいっぱいと感じていただけたのではないかと思います。


そんな万年橋パークビルさんは駐車場以外にも、ゆりの木通りの歩道を使った手作り市ゆりの木通り手作り品バザールを開催したり、遠鉄の高架下を使ってテイクアウト商品の飲食ができる高架下てらすという場所づくりをしたり、バラを片手に夜の街を歩きながら普段は夜に営業していないお店を巡るナイトブティックという企画を行い、商店街の魅力を発信し続けています。


「楽しい事をやってみよう」という柔軟な姿勢が多種多様な人を呼び、アーティストやクリエイターがこの場所で交流することで、新しい価値観を作り出す。

商店街や人をまきこむことで街が活性化して、駐車場にも人がくるようになる。

お話を聞いているだけでもワクワクしてきました。


浜松街中にお出かけのさいには決まった用事だけじゃなく、ちょっと寄り道してみてはいかがでしょう。

ステキなお店探しをしたり、喫茶店に入ったり、黒板とキッチンで休憩したり、駐車場探検をしてみたら、何かトキメキがうまれるかもしれません。


秘密基地のようなワクワクが詰まっている。

万年橋パークビルの紹介でした〜。


 

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