皆さんは『音』を意識する時ってどんな時でしょう。
好きな音楽を聴いている時? 救急車のサイレンが聞こえた時? 目覚まし時計? LINEの着信音?? 人によって色々あると思いますが、日常には意識しない音が無数に存在しています。
というよりも、日常の中で音は常に鳴りつづけているのですが、特に気がつかずに生活をしています。
普段なら聞き逃す音を大事にする、そんな人が浜松にはいます。
『音と人 ミミ島』代表のウエヤマトモコさんです。
ウエヤマさんの職業は、音響作家、サウンドエンジニアという、普段あまり聞きなれない肩書きですが、どのような方なのか、どのような事を仕事とされているのか、お話を聞いてきました。
ウエヤマさんは学生の頃にしていた舞台音響の仕事をきっかけに、音に関わる仕事を続け、今は映画やコンサートや舞台の音響や録音やマスタリング、音に関するワークショップ等を行っています。
素人には難しそうな音の世界。でも、ウエヤマさん本人お会いすれば、音の世界がとてもユニークで親しみやすいことがわかります。
例えば、普段は聞き逃すような緩衝材の小さな音を聞ける楽器。
昔懐かしカセットテープのテープの上を車が走ると音が聞こえる装置。
どれもこれも愉快で遊び心にあふれていて、子供たちもキャッキャ遊びながら音に触れています。
最近は浜松近辺の至る所で、街の音を録音しているウエヤマさん。
この録音素材を使って発表された『風にゆられたキロクとキオク』展では、目を閉じると音で感じる浜松の景色が広がっていて、日常に広がる小さな音の世界を知ることができるとても面白い音響空間作品でした。
ウエヤマさんが育ったのは関西地方。
浜松に引っ越してからもうすぐ3年になるそうです。
浜松に来て感じた事は「風の音」だそう。
遠州のからっ風とは言いますが、色々な風の音を感じるそうです。
「この音がね〜。なかなか撮れないんですよ〜。ゴォーって音になっちゃって。」
さすが音の収集家。風の音も録音してるとは…。
そして「浜松は風通しがいい」ともおっしゃられていました。
それはからっ風の風という意味と、人間関係の風通しと2つの意味があるそうです。
浜松で生活し、商店だったり施設だったり人だったり、様々な人と関わることで感じたのは、街の人が自分の意思で生活していること。肯定的であること。
「面白そうじゃん」「やってごらんよ」そういう声が多く、励まされてきたそうです。
そういった人と人との距離感の風通しが絶妙にイイとのこと。
なるほど〜。
地元で暮らす者としては「そうなのか〜」と新鮮な気持ちになりますし、ちょっと嬉しいですね〜。
さて、生活の中の小さな音の世界。聞き慣れた音たち。
普段はあまり気にしないですが、目を向けてみるとなかなかオモシロイものです。
気分転換に少しだけ耳を傾けてみましょう。
何か、"そこだけの音"が聞こえてくるかも…。
まだ細かいスケジュールは決まっていませんが、2月末から3月にかけて、ハングアウト(上記にも書いた『風にゆられたキロクとキオク』展のパンフレット)と、作品紹介映像(同じく展示していた作品紹介と一部体験できる映像)を完成させる予定とのこと。
下にウェブサイトを掲載しておきますので、チェックしてみてください。
浜松のアチコチで音を収集しているウエヤマさん。
小学生が昆虫採集をするようなキラキラした眼で、マイクをもって音を採集している人がいたらウエヤマさんかもしれません。(…というか間違いなくウエヤマさんです。)
こんなオモシロイ人、地元にいるってステキですね〜!!
音と人 ミミ島 ウエヤマトモコ
(浜松の音を誰でも自由に使えるようアップしてくれています。)
※この展示はすでに終了しています。
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