以前にもjimottoallでも取材をさせていただいた中村菜月さん。
現在、鴨江にある竪穴の家という名の住居(リノベーションの真っ最中でなんと工事の鉄の骨組みやビニールシートがある)で、個展「物語の途中で」が行われています。
さっそく行ってきたのですが、この内容がとにかく素晴らしく、ぜひ色々な方に観てもらいたいという思いにかられました。
興奮冷めやらぬうちに、中村菜月個展「物語の途中で」の紹介をさせていただきたいと思います。
鴨江とは面白い町です。
鴨江寺(鴨江観音)の前の大きな通りから一歩隣の通りに入ると、途端に迷路のような細い道が顔を出します。
近隣のパーキングに車を停め(会場に駐車場はありません)、少し迷子になるくらいの気持ちでテクテク歩きます。
個性的な家や、古くからあるお店。空の青と植物の緑と太陽の光とセミの声を感じながら歩いていると、ここが浜松じゃなく何処か知らない場所に来たような気になります。
緑と黄色のストライプの屋根のお店があったら、隣の砂利道を曲がり、狐に化かされたかな?と思った頃に、会場の竪穴の家が現れます。
中村菜月さんは絵を主に制作されていますが、作品は絵の他にもオブジェや詩など多岐に渡ります。
今回の会場にも絵やオブジェが飾られていますが、それは1つ1つの作品ではなくこの会場の全てが大きな一つの作品であるように感じました。
言い換えれば中村菜月という宇宙というか、中村菜月という名の遊園地というか。
会場に元々置かれていた古い家具、お客さんの会話や息遣い、外から入ってくる日差しや、風までもが作品として成立するような美しい空間です。
楽しみ方はいろいろ。
床に寝っ転がる。本を読む。音楽を聴く。
感想を言ってもいい、言わなくてもいい。それはとても豊かな時間です。
アートとはいったい何でしょう。
中には作家の意思を飛び越えて、ステータスのためや投資のために扱われるアートもありますが、jimottomall編集長タテイシの中でのアートの定義とは、好きな音楽を聞くことで背中を押してもらったり気持ちに寄り添ってもらったりするように、作品を通して勇気をもらったり心に寄り添ってくれるものです。
中村菜月個展「物語の途中で」は、静かに燃える炎のように物凄いエネルギーのある作品です。
中村菜月さん自身が「私は此処に生きているんだ!!」と叫んでいるようなパワーがあります。
この奇跡的に美しい作品を、アートという言葉が邪魔をして手が届かない人にも伝えたい。
絵に興味がなくても中村菜月という人間を知らなくても、きっとこのエネルギーに感動してもらえる人がいると思いますっ!!
この夏、鴨江の路地を歩き、中村菜月という物語の旅に、ちょっとだけご一緒してみませんか?
中村菜月個展 物語の途中で
会場:竪穴の家 静岡県浜松市中区鴨江4-19-40
期間:2021年8月5日(木)〜8月24日(火) 11:00-19:00〈水曜定休〉
入場100円~自由
会期中には鴨江キッチンによる軽食とドリンク(軽食は8/10まで。ドリンクは毎日あります)や、鴨江珈琲によるオリジナルブレンドアイスコーヒーの販売。Lily's cakeさんによるお菓子の販売、社会実験室 踊り場による勉強会などが行われます。
詳しいインフォメーションについては、中村菜月さんのInstagramか、それぞれのリンクををチェックしてください。
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