鴨江アートセンターの3階に突如設置された不思議な空間。
たくさんのオブジェが組み合わさった舞台のようであり、作業場のようであり、秘密基地のようでもあり…。
ココは浜松を拠点にアートワークショップを手がけるこどもアートスタジオプロジェクトの会場。
その名も『WORKSHOP CIRCUS 2021(ワークショップサーカス2021)』です。
こどもアートスタジオプロジェクトとは…。
2006年に小学生を対象にしたアートワークショップの連続講座「こどもアートスタジオ」を開始し、これまでに200以上のワークショッププログラムを終了。
並行して、こどもがアートに触れられ環境を整えるために、大人や社会に向けた公共性や意識の形成を狙う事業を展開していました。
1)多様性が生み出す新しい価値の創出
2)社会的な教育(ソーシャルエデュケーション)活動の確立
3)芸術家、学術研究者の持つ社会的な役割の拡充。
4)地域的な文化形成の促進。
5)雇用創出機会の支援
6)多世代、多文化間のコミュニケーションの提供
を目的としているそうです。
実は…今回のワークショップサーカス2021をもって、こどもアートスタジオプロジェクトは解散。
…ということで残念ではありますが、プロジェクトは解散したもののアーティスト達は次の活動に向けて準備しているという事。
その情報もJimottomallで追いかけていきたい💪とおもいます。
さて、気をとりなおしてワークショップサーカスのレポートです。
会場は中央の飲食スペースを中心に、木材加工・シルクスクリーン・絵具で色を塗れる場所・色について哲学できる場所・休憩したりおしゃべりできる場所・リモートでワークショップできる場所、くじびき会場と多種多様なモノづくりの場があり、会場のアチコチにロボットや流木が置かれたり吊るされたりして摩訶不思議な風景。
それぞれのワークショップはブースとして区切られているわけではなく境界が曖昧で、木材をノコギリやトンカチを使って形を作って、絵具で色を塗り、その上にシルクスクリーンで模様を刷り込むなど、自由に楽しむことができます。
ただ、この「自由に楽しめる」という事がちょっとムズカシイ。
会場に来られた方で、「ここで何をやったらいいんですか?」という声が聞こえてきましたが…ココでは何をしてもいいんです。
何か作りたいものがあれば作ればいいし、手を動かしながら作る楽しさを感じてもいいし、何だったらフラフラ作品を見たり休憩しておしゃべりしていてもいい。
『何をしたらいいか』ではなく『この場所をたのしんでみよう』と思った時。
ワークショップサーカスの幕が上がります。
何度かワークショップを経験した事のあるウチの娘は、会場に着くなり「もう〜、楽しみなんだよ〜♪」とルンルン。
木材をボンドで組み合わせてオブジェを作ったり、シルクスクリーンを熱心にやったり。
それぞれの技術的なサポートはスタッフさんがしてくれますが、スタッフのみなさんも参加者と一緒になって自由に遊んでいるので、教えてもらうというよりも一緒に楽しむといった感じの方がわかりやすいかも。
モチロン、ワークショップサーカスは子供だけのものではありません。
子供が遊ぶのをダシに大人も大いに遊びましょう。大人の中の"こども心"が刺激されて、いつのまにか夢中でワークショップに向き合っちゃいます。子供以上に白熱することもしばしば…。僕も夢中になって作りました。
作った作品は自由に持ち帰って家で飾ったり遊んだりして楽しみましょう。
お気に入りの作品ができたウチの娘は、「一緒に寝ると良い夢が見れるんだよ〜」と言って枕元に飾って寝ていました。
(余談ですが、翌朝にどんな夢を見たか娘に聞いてみたら、「真っ黒な世界だった…」と言ってて朝から大笑いしました。)
ワークショップサーカス2021のチラシには、『みんなでつくる ひとつの舞台 のようなワークショップです。』と書かれています。
これを体現するように、ワークショップサーカスは参加者やスタッフ関係なくみんなでつくるサーカスの舞台みたい。
ドキドキワクワクでちょっとフシギな夢のような空間でした。
この風景を見た子供達(子供の心を揺さぶられた大人も含む)は、記憶の一つに宝物のようにこの景色が残るんじゃないかな…って思いました。
こどもアートスタジオプロジェクトはこれにて解散。
参加したアーティストは、幼い頃からこどもアートスタジオプロジェクトに参加してくれた方々だそうです。
当時の子供達は15年の月日を経て、アーティストやデザイナー、看護師、教員、会社員になり、何人かは父になり、母になり、社会とアートを結び付けています。
この種は世代を繰り返して大きな木になるのかも?しれません。
こどもアートスタジオプロジェクトの皆さん。ありがとうございました。
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